ゆんたく・徒然 奥の深い沖縄。その沖縄をもっと知りたいヤマトの人々、
古里沖縄をあまり知らないと”ウチアタイ”するウチナーンチュ。
そんな方のお役に立てたらと願う、「青春」を謳うナイチャー、
NPOの一員です。

ゆんたく・徒然 ( 台風 )

 

節(しつい)や立ち変て 秋とてやり言わすが 夏よりもまさる昼(ふいる)の暑さこんな琉歌がぴったりの候となりました。8月7日が立秋、23日が処暑、お盆が28日ウンケー、30日のウークイでした。残暑きびしい今の時期を「別れ暑さ」と呼んでいます。四季感に乏しいといわれがちですが、かすかな時の移ろいにも敏感でこうした美しい言葉があります。以前ご紹介した「夏小」もその一つです。

さて、9月は台風シーズン。本当は8月も多いのですが(ほぼ半々)9月の台風は大型で勢力が強く格別注意が必要です。昨年宮古島に大災害をもたらした14号(マエミー)は9月10〜11日でした。大東島、本島、宮古島、石垣島、与那国島と沖縄県東西1,000kmを駆け抜けたのは02年の16号(シンラコウ)で9月4日(那覇)。これも凄かったです。私が初めて本格的経験をした台風は99年の18号で、9月21〜22日でした。ゴーゴーと空を鳴り渡る風はまさに沖縄の怪物「マジムン」の咆哮を聞くが如く、不気味で心の落ち着きを奪い去るものでした。雨は天から湧き出、地表から吹きあがり、街灯の明かりの中で白い帯となって我が物顔に走り回り、全ての空間のインベーダー(侵略者)です。そんな街の中をテールランプの灯りを滲ませて、頼りなく走る数台のタクシーはこの世のものとは思えない生魂のように見えました。台風の洗礼を受けた私の思い出です。

沖縄では暴風警報が出ますとバスが止まり、学校をはじめ仕事も休みとなります。嬉しさをかみ殺し家路を急ぎますが、レンタルビデオを借りる人や、ゲーセンなどの射倖場へ足を向ける人、危険を顧みず荒れる海を見るために車を海岸に向ける人も多いようです。(北谷の砂辺や瀬長島が人気スポット?)多くのウチナーンチュは首をすくめ台風をやりすごす姿勢を基本にしながら、台風でなければ味わえない楽しみもきっちり見つけ、そこに台風文化も花開きます。停電に備え早めに夕食を済ませ、タップリ時間が出来るのも嬉しいし、家族全員が顔を合わせるのも楽しいですね。そんな夜、ローソクの明かりで影絵を楽しまれた方も多いのではないでしょうか。

影絵は子供時代の欠かせないノスタルジックな思い出ですが、沖縄では今も影絵は健在です。インドネシアの伝統・影絵劇ワヤンで沖縄伝統芸能「組踊:執心鐘入」を豊見城伊良波中学の3年生たちが7月に演じて大変評判になりました。幻想的世界を演出出来る影絵と「執心鐘入」はピタリです。叱られるかもわかりませんがウチナーチュはインドネシアやタイなどの国に夢を馳せるDNAがあるような気がします(ペコリ)。台風時のニービチは出席率があがり、ウチナータイムは解消されるそうです。コンビニは営業してますが食べ物(おにぎり、弁当など)は早々姿を消しますので旅のお方はご注意です。

台風で旅行者が一番困るのが帰路の飛行機が欠航した時ですね。台風で、ヤマトに帰れず会社を欠勤、これが続いて上司に怒られ“エーイ頭に来た”と沖縄の会社にトラバーユしたマエミー(上述)級のヤマトーの女性もいらっしゃいます。目一杯沖縄を楽しみ尽くした時は、当然ながら懐は木枯らし一番が吹いています、仕方なく運航再開、搭乗便が決まるまでは空港ロビー族と成らざるを得ません。せっかくの楽しい思い出もこの場所で、無残に砕け散ってしまいかねません。以前からこの事を心配する県民は多かったのですが、念願叶い、8月4日に「台風時観光客支援ボランティア友の会」が発足しました。県観光コンベンションビューロー(OCVB)と連携し、観光客の宿泊を受け入れるホームステイ体制や、空港内でのライブなどをやっていこうと考えています。緒についたばかりですが事務局長の上地さんやヒューマンネットワークの皆さんも張り切っておられます。

沖縄に来て、沖縄の自然を満喫され、もし運悪く台風で足止めになった時は「旅人を真心でおもてなしする」沖縄の肝(チム)ジュラサンに触れてください。きっと自然の癒しと同じように沖縄の心に癒される事と確信します。そのせいで沖縄病になったり、重病になったりされても、それはどうか自己責任とご理解、ご容赦ください。ユタシクウニゲーサビラ、アンセーマタヤーサイ!

 

 

 

 

ウチナー口(沖縄方言)など解説

「ウンケー、ウークイ」= お迎えとお見送りです。久高島では日のある内にやることに拘るそうです。お送りする時にも色々やり方があり、興味津々。
「マエミー、シンラコウ」=
2000年から船舶向けなどに使用されることで名前が決まりました。マエミーは蝉、シンラコウは伝説上の神。今年の16号はチャバ(=ハイビスカス)、17号はアイレー(=嵐)となっています。マエミーの被害総額は100億超、風車は壊滅し最大風速は85.3mの66年のコラ(第2宮古島)台風を超えました。
「マジムン」=
魔物です。ここでのイメージは猪八戒ですが、犬や豚や牛、のっぺらぼうのお化も全てマジムンです。キジムナーも広義ではこの範疇。
「北谷(チャタン)」=
伝統のコザ、今風の北谷。58号線左側の若者人気ナンバーワンの不夜城です。ここに沖縄の水を作る浄水場があります。海水淡水化もしています。
「組踊・執心鐘入」= 安珍清姫とほぼ同じ筋書き。玉城朝薫作の最高傑作。首里末吉公園の中に記念碑があります。夜はすこーし怖い場所ですね。
「台風時のニービチ」= 02年7月の台風14号が那覇を直撃した夜の某結婚披露宴を宮里千里氏は「沖縄時間がゆったり流れる島」(光文社新書)で書いています。那覇でバーベキューをしていた私は「そうだったよなー」です。
「チムジュラサン」= 心が美しい(ちゅらさんのちゅらが濁点になってるだけ)、やさしいという意味です。チムドンドンは心がわくわくドキドキの意味です。ちゅらさん3は9月13日から。

  1. 予想を遥かに上回るメダルラッシュのアテネオリンピック、そして猛暑。“寝不足が夏バテに拍車をかけて、齢(よわい)知る”
  2. 伊勢丹「めんそーれ・大沖縄展」活況でした。「てぃんしゃ(天咲)」4人組ネーネーの舞台もグー、なんとサンバ持込の男性観客もいましたね。
  3. 沖縄はハワイと並ぶ人気リゾート地ですが、日本国の主権領土であって、けっしてアメリカ領土ではありません。昭和47年は無かった年ですか?
  4. さとうきび外皮でかりゆしウェアーが作られました。頑張って早く商品化し、売り出して欲しいものです。マチカンティー!

 

バックナンバー