ゆんたく・徒然 奥の深い沖縄。その沖縄をもっと知りたいヤマトの人々、
古里沖縄をあまり知らないと”ウチアタイ”するウチナーンチュ。
そんな方のお役に立てたらと願う、「青春」を謳うナイチャー、
NPOの一員です。

ゆんたく・徒然 ( めんそーれー沖縄 )

 

十五夜照るお月 名に立ちゆるごとに 四方に照り渡る影(かじ)のきよらさ

勝連按司朝慎 作 

「中秋の名月という名通りに、今宵の月はあたり一面明るく照らし、美しい姿であることよ」
陰暦8月15日の「中秋の名月」は9月28日、月の出は18:20でした。毎年この時は沖縄各地で十五夜祭が行われます。糸満市白銀堂大綱引。恩納村山田や沖縄市知花そして金武町金武の獅子舞。東風平町富森の旗頭道ジュネーなどです。これに先がけ首里城公園観月会「琉球王朝中秋の宴」は24〜26日でした。沖縄は空が澄み無粋なネオンの林立も少いためか月が綺麗です。昨年波照間島での経験ですがビーチパーティー(車座になって満天の星空の下、唄とサンシン、太鼓入りの『泡波』飲み会)の後、真っ暗な夜道を手探り状態で民宿への帰路につきました。何も見えません、朧気に浮かぶ道のわずかな白さだけが頼りです。方向感覚がなくなり心細さがつのってきた時、遅出の月が昇ってきました。明るく美しい月でした。製糖工場の煙突も見え自分の居場所が、道路とともにしっかり判りました。お月さまをとても有難く、美しいと思った波照間紀行のひとコマです。

沖縄の10月はとても良い季節の始まる月です。ヤマトンチュから「沖縄は何時行くのが良いですか?」と度々聞かれます。そんな経験をお持ちのウチナーンチュの方も多いと思います。「写真を始めたいのですが、カメラはどんなのがいいですか?」。販売店の係員やハイアマチュアは鸚鵡返しに「何を写したいの?」と聞きます。「何って言われても、色々撮りたいものあるんだけど、どう答えるのよ〜?・・・」で沈黙です。沖縄となると写真以上に楽しみたいジャンルは多岐に亘ります。海に代表される自然の美しさ、ヤマトにない万国津梁に育まれた大琉球の歴史文化の遺跡、同じ県にあっても異なるウチナーグチに守られた芸能・習俗、忘れてはいけない『遠い夏』の日々を残す戦跡、『ぬちぐすい』といわれる食材を泡盛と一緒に楽しむ食文化に触れ、芭蕉布・紅型などの民芸に接する等など、魅力一杯の沖縄ですから「沖縄は何時?・・」に答えるには勇気がいります。

さりとて、チムジュラサンなウチナーンチュには「何をしたいですか?」と聞く事は似合いません。(「ダッカラヨー!」と「テーゲー」のなせる業ではありません、名誉と念のため注釈)親しいウチナーンチュに「♪あなたならどうする?♪」ってな風に聞き取りをしました結果は次のようになりました。(1)9月上旬〜10月一杯:36%、(2)10月初め〜3月一杯:36%、(3)6月初め〜7月初旬:27%。私の独断偏見で説明致しますとウチナーチュの皆さんは、最初に沖縄に来られる方に対し「まずは沖縄の海を楽しんでください、それには天気が続く時がいいです。台風には遭わない時期を!」というメッセージが色濃く込められています。『空の碧い日はセーヌの水も青い』と同じように、青空の広がる時の沖縄の海は世界一です。エメラルドグリーンの海は晴れた日に際立って美しいのです。

出来れば「泳いでください、シュノーケリングもお勧め」が10月に集中している理由です。ビーチの設備(3月初めにオープン)は10月一杯まで利用出来ます。恐い「ハブクラゲ」もグンと減ります。太陽(ティダ)も少し優しくなり、慣れないヤマトンチュの肌にはもってこいです。概ね晴天が続く11月〜3月は「暖かい沖縄を楽しんで下さいね」というメッセージです。4月は沖縄で「うりずん」と呼び雨の多い時です。イジュの花が咲き、それなりに得がたい沖縄がありますが。それが過ぎれば梅雨入りです。ゴールデンウイークが微妙です。運がよければ夏が味わえます。梅雨明けが6月中旬です。7〜8月の真夏の沖縄は「ブチクン」(卒倒する暑さの意味です)で活動には不向き、昼間は風の通る木陰で伸び切って(チルダイに)過ごすのが一番です。ヤッケームンの台風が来たら2日間の足止めは覚悟しておかねばならないでしょう。「最初の訪問だけは台風遭遇をお避けになった方がよろしいかと・・」とチムガカイするウチナーチュのメッセージをどうか心の片隅に置いて、「めんそーれー・沖縄!」

 

 

ウチナー口(沖縄方言)など解説

「めんそーれー」= 「いらっしゃいませ」です。沖縄ブームが沸き起こった初期の頃のエピソード2題。「観光土産店」だと思った。空港(旧)出口にシーサーがありそこに「めんそーれー」と書いてあったので獅子を「めんそーれー」というものだと思った。某司会者から聞いた話。
「きよらさ」=
ウチナー口ではおもろ語の「きよら」と「チュラ」が美しいに相当する。澄み切った美、光り輝く華やかな美の両方の美を意味する。
「影」=
「かじ」と読みます。琉歌〜現代歌まで「面影(うむかじ)が立てば・・」とよく唄われます。「思い出として心に宿る恋しい人の姿が浮かんできて・・」という意味です。
「泡波」=
波照間島産の唯一の泡盛。島限定が原則のため飲むためには波照間へ行かねばなりません。30度でクースはありません。
「製糖工場の煙突」= サトウキビの減産のため製糖工場がポツリポツリ閉鎖されます。沖縄の原風景がこうして次第に消えていくのを悲しむ、私です。
「遠い夏」= 「ウージぬ森(むい)」はさとうきび畑と同じ意味です。南部のさとうきび畑は遠くなっていく今次大戦の思い出をたどる入り口です。島太朗作詞、天咲(てぃんしゃ)唄の題です。
「ハブクラゲ」= 恐いです、とても。刺されると痕が残ります。ショック死の例もありますので遊泳はネットのあるビーチが原則です。肌を隠すことは有効ですが刺されたら食酢で洗い、病院へ!
「チムジュラサン」= チムは肝と書いて「心」の意味。ジュラサン=ちゅらさん。「心が美しい人」です。
「チムガカイ」= ガカイは「引っかかる」の意味ですから「心がひっかかる」即ち「心配する」です。

  1. 今年の那覇祭りメーンイベント「大綱挽」は10月10日(目の愛護デー)。昨年は28万人の人出の中、「ハーイヤ!」「ワッショ」の掛け声で5分後に「西」に綱が動いたそうです。今年は?
  2. 60年前の同じ日、沖縄戦の始まりを告げる「10・10空襲」があり多くの方が亡くなり、家屋が焼失しました。・・・・合掌!
  3. 新北風(ミーニシ)は何日に吹くのでしょうか(昨年は15日:那覇)。トワエ・モアの曲を口ずさみながらお気に入りのビーチを歩きます。
  4. 秋の到来、温かい泡盛が結構いい感じです。『それほどにうまきかと ひとの問ひたらば 何と答へむ この酒の味』(若山 牧水)・・・・楽しみー!

 

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