ゆんたく・徒然 奥の深い沖縄。その沖縄をもっと知りたいヤマトの人々、
古里沖縄をあまり知らないと”ウチアタイ”するウチナーンチュ。
そんな方のお役に立てたらと願う、「青春」を謳うナイチャー、
NPOの一員です。

親子ラジオ

沖縄県を支える重要な産業である泡盛を、造り続けて瑞泉酒造は創業120年を迎えられました。戦火をくぐり、アメリカ世(ユー)の逆風に耐えながら県民と共に泡盛文化を築き上げるに到った長い道程を思うと頭が下がります。9、11日には地元新聞社、TV放送局共催で『瑞泉酒造120周年記念沖縄公演』が国立劇場おきなわ他で催行される由、大変名誉な事と心よりお慶びを申し上げます。更なるご精進を願ってやみません。
 さて、いよいよ「師走」、当コラムの「徒然」は反対語になるのではといささか恐縮してしまう12月です。師走にあっても「ゆんたく」だけは続けましょうよ。
今年5月のある日、「親子ラジオ」という聞き慣れない名の映像が石垣島から送られてきました。「3〜4年前まで活躍した『親子ラジオ』。30年間の活躍を考えるとなかなか取り外せません」というコメントが入った“スピーカーボックス”の姿に、形容し難いいとおしさを感じました。「親子ラジオ」というのは、昭和27年頃米軍政が沖縄各地に共同聴取の「親子ラジオ社」を設置するよう指導した事で誕生したものです。NHKと米軍放送の電波を受信したラジオ社はこれを増幅し各家庭に有線で配信、家庭では20〜30cmほどの木箱(米軍の払い下げ品?)にスピーカーをはめ込み、ボリュームノブとスイッチを付けて、放送を聴いたのです。その後、ラジオ社でもコミュニティを目的としたニュースや娯楽に島唄などを流して人々の生活に潤いを与えました。娯楽は少ない時代でしたからね。
「八重山の優れた唄者(ウタサー)を育てたのは親子ラジオの力だった」、「わたぶーショウの照屋林助は大人気だった」、「母は『君の名は』をとても楽しみに聞いていた」、「赤胴鈴之助を聞いた記憶がある」といった楽しい思い出を語る人もいらっしゃいました。戦後特有の「疎開した人や復員者の帰郷名簿の発表に聞き入ったが、とうとう自分の子供の名前は聞けなかった」というような暗い世相を反映するお話もありました。
「ハイスクールの合格発表も親子ラジオで聞いていた」という世代の方、あるいは復帰
(直)前世代の方は「台風による休校連絡は親子ラジオだった」というふうに年齢にふさわしい思い出があるようです。ゆんたくする時、親子ラジオを話題にするのも楽しいのではと思います。私はこんな話を聞くほどに「チムドンドン」してきますよ。親子ラジオの最盛期は昭和33年頃(1960年代)で沖縄県内には140(300)局以上あり、普及率は世帯率で74%に達しました。しかし、文明の発展と共に親子ラジオは次第に「戦後」という思い出の彼方に歩み去ったようです。親子ラジオは地域有線放送としてコミュニティの役目を主体にして放送を続け、八重山、宮古諸島では数年前まで生き長らえていました。伊良部島、鳩間島には残っているという情報もありますが、池間島の譜久村健さんが一人で50年以上頑張っておられるラジオ局の様子は今年、タイムス等で紹介されました。駐在のお巡りさんが落し物のリストを持って局を訪れる話等、島の生活振りは微笑ましい限りです。
『地域に光る宝を探せ』特集で沖縄総合事務局は今年8月、国際通を活動拠点にするコミュニティ放送局エフエム那覇」を紹介しました。わずか20Wの許可された出力では那覇市全域での受信は不可能で経営的に苦戦していましたが、沖縄情報発信の老舗インターネットサイトを併せ運営する事で電波範囲に関係なく放送番組を聴いてもらえ、iPodまで利用可能にし、「光る」会社になりました。コミュニティに要求される即時性は、「パシャ人」と呼ぶ県民が、地域情報を携帯電話のカメラで“パシャ”と写し送信、すると即刻サイト上に自動的にアップされ、実現しました。11月の「泡盛の会」をパシャで見た私はきき酒コンテストで銀賞を取った平良斗星さんと即刻電話でおしゃべりをしました。さいたま市に居ながら那覇のコミュニティの輪に入れるのです。すごい事でしょう!沖縄情報に関心ある方は是非このサイトをマークされたらと思います。
今年もまた一年間、お付き合い戴き有難う御座います。来年がさらに良い年でありますよう、皆様のご多幸ご健勝を祈り上げます。

ウチナー口(沖縄方言)など解説

唄者(ウタサー)・・ 決まった定義がある訳ではありません。「奥義をきわめた歌い手」「地元に根をはり過去から未来へと唄を継ぐ人」とでも言いましょうか。奄美の坪山豊さんなどが代表的ウタサーです。元ちとせはまだ上手な歌手です。
わたぶーショウ・・ 三線、エレキ、コンガなど使い、ジャズ、ラテンと曲も多様な歌謡漫談です。映画「パイナップルツアーズ」、「ウンタマギルー」に登場しますよ。
照屋林助・・ 沖縄ポップカルチャーの祖で、コザ独立国大統領とも呼ばれる。琉球古典音楽と漫談の両面で才能を発揮する。リンケンバンドのリーダーの父。
君の名は・・ 「忘却とは忘れ去ることなり、忘れ得ずして・・」というナレーションは昭和27年、NHKから連続ラジオドラマ「君の名は」として電波にのりました。風呂屋さんがガラガラになったという「時代現象」を生んだ。菊田一夫作品
復帰前世代・・ 1972年5月、沖縄が日本国に戻りました。この年までに生まれた戦後っ子。その5年後に道路通行が本土と同じになりました。この事をうっすら記憶していれば、復帰という言葉が理解できるのでは。
チムドンドン・・ 「シーブン」(下段の方)を見てください
タイムス等・・ 沖縄タイムス2006年2月15日(夕)「比嘉康文の沖縄通信」2月14日
http://www.janjan.jp/column/higakobun/list.php
池間島・・ 宮古島の北端狩俣から1425mの池間大橋を渡る。2.6平方km人口約850人。団結が強く、信仰の厚い池間民族の地で言葉も難しい。
沖縄総合事務局・・ 沖縄の振興開発を目的に、国の出先機関が集まった内閣府地方支分部局。
コミュニティ放送局・・ 地域に密着した情報を提供する放送局でFM波が使われる。空中線電力は20w以下、毎日放送を行う義務無し。多くの放送局は聴取率も経営も厳しくスパイラル状に悪化傾向にある。デジタル放送、市町村の合併などの社会変化に如何に対応し経営を軌道に乗せるか難しい局面である。
FM那覇・・ 創業2001年、代表者:平良斗星 愛称「78タイフーンfm」
http://www.fmnaha.jp/
http://uruma.jp/
老舗インターネットサイト・・ 旧「インターネットうるま」FM那覇運営で「urumax」と呼称を変えた。売りは今の沖縄を映像で見せる事、FM那覇の放送番組を聴取できる事。「iPod」が利用できる事など
パシャ人・・ 現在本島から宮古諸島、八重山諸島(与那国)まで、150名を超える普通の人(皆さんそれぞれにお仕事、家庭を持たれている方々)が携帯電話のカメラでその時々の沖縄風景(祭りも運動会も渋滞情報もシャワーも美味しいお店紹介も全てあり)を写しています。しかも24時間休み無しの更新ですから。書き込み自由!
パシャ・・ 写真のシャッター音の擬音です。パチリという時代もありましたが連写時代は「パシャ」でしょう。「写真」という意味で使っています。
泡盛の会・・ 「泡盛きき酒会と感謝の宴」が正式名。以下のアドレスでアクセスしますと小さな写真が並んでいます「とうせい」6点、「けんずい」7点、「myra」7点の20点が会の関係のパシャです。瑞泉佐久本社長の賞状授与風景※1、瑞泉社員の入場風景※2など一杯あります。写真をクリックしたら大きくなります。
http://pasha.uruma.jp/day/20061101/
http://pasha.uruma.jp/users/15/15188.html ※1
http://pasha.uruma.jp/users/200/15208.html ※2

プロフィール

楠 通志
1942年1月生まれ(みずがめ座 O型)。福山市出身、さいたま市在住。
1976年頃初めて沖縄入り。以来本島以外に、宮古島、多良間島、石垣島、与那国島、竹富島、波照間島、伊江島を訪問。自然風景写真を撮っている。
今年の目標は「原風景」に拘った作品作りで必然的に離島へと足をのばす事。伊是名、座間味、久高の各島。本島では山原や東海岸としたい。


シーブン(おまけ)

  1. 沖縄は「チム」の文化と言われています。「胸」の思い、「心」の心理状態をチム○○と表現します。「ドンドン」は嬉しくて胸ドキドキです。「ワジワジ」は 怒った心で次々と怒りがこみ上げる状態、「ワサワサ」はイライラや不安がつのる状態です。まだまだありますが次回に取って置きましょう。

  2. 沖縄の泡盛とビールの振興、販売拡大をめざして懇話会が来年発足です。ソムリエの田崎真也氏、泡盛女王富永麻子氏、尚弘子氏など錚々たるメンバーです。

  3. 沖縄道の中城PA、伊芸SAで新サービスが続々登場!(お楽しみに)既に販売している中城PAの紅芋、黒糖のアンダギー120円/ヶが好評です。売り切れ御免ですから早めに!

  4. 沖縄観光は離島ブームで滞在日数が平均4日近くなっています。収入も初の4000億突破が確実の状況。観光客の感想は県観光商工部のHPで見られます。
    http://www.pref.okinawa.jp/index.htm

参考文献等

週間 上原直彦
http://www.campus-r.com/naohiko20041204.html

親子ラジオの写真
http://pasha.uruma.jp/users/176/9552.html

一口コラム集
http://homepage1.nifty.com/saturyu/koramu.htm

ラジオ沖縄
http://radiofly.to/wiki/

串木野今昔(昭和・平成)
http://www.eee.kagoshima-u.ac.jp/~take/personal/tawn.page/konjaku2.html

「ウチナーグチ練習帖」 高良 勉著、生活人新書NHK出版